ファンドマネージャーの年収とキャリア

ファンドマネージャーの年収
ファンドマネージャーの年収は、一般論では平均およそ750万円で、男性だと800万円前後、女性だと500万円前後といわれています。男女差があるのは気になりますが、金融系の職種の年収が平均400~430万円ということらしいので、金融という括りで見た場合は男女ともに年収の高い職種であるといえるのかもしれません。
男女差があるのは、さまざまな要因があると思いますが、おそらく業務内容にもよるものかもしれません。ファンドマネージャーの主な仕事は、投資家から資金を預かり、長期的な計画を立てて運用することですが、そのためには調査・銘柄選定・意思決定・報告書の作成など多岐にわたります。それらすべてをファンドマネージャーが一人で行うわけではなく、大きな企業が完全分業制を実現しているように、ファンドマネージャーが対応する業務もさまざまです。投資に関するスキルが高ければ、それだけ給料も高くなります。
年齢が上がると年収も高くなる傾向
ファンドマネージャーの年収は20代の頃がもっとも低く、年齢が上がるにつれて高くなります。これはどの業界でも同じだと思いますが、ファンドマネージャーには専門的知識に裏打ちされた分析と決断が求められます。一人で運用できるようになる経験を積むため、20代の頃は下積みのような仕事をします。30代に入って場数を踏んでいくとファンドマネージャーとしての裁量も広がります。ファンドの設計に携わったり、クライアントを勧誘したりと、年齢が上がるごとに重要なポジションを任せられることが増えていくので、年収も高くなっていく傾向にあります。
ファンドマネージャーのキャリアの考え方
日系の金融業界ではジョブローテーションを頻繁に行うため、ファンドマネージャー一本でスキルを磨くという方法は採用しづらくなります。これは、プロフェッショナルよりもジェネラリストを増やしたいという思惑があるのと、顧客の資金を扱う部署に据え置かないことで事故を防ぐという金融庁の監督指針を採用しているのかもしれません。銀行のジョブローテーションルールは2019年に廃止されたのですが。
ただ、運用は一人でやるものではありません。アナリストになって分析力を身につけて、営業になってクライアントの声を聞くという経験を積むというジョブローテーションで得た他の職種の知識が運用に役立つこともあります。また、本当にファンドマネージャーをキャリアの中核に据えてもいいのか、と自問するきっかけにもなるでしょう。
外資系企業では、日系企業とキャリアの考え方が違います。ジョブローテーションという考え方もあまり一般的ではなく、専門に従事する傾向があり、ファンドマネージャーとなったなら、基本的にずっとファンドマネージャーとして働くことになります。これは、契約時に職務の範囲が明確に定められているという理由も大きいでしょう。
ジョブローテーションがなく、新しい仕事を覚える必要はあまりないのですが、かなりの成果主義です。成果が良ければ報酬は劇的に上がりますが、成果が悪ければすぐ解雇、ということも考えられます。
どちらにも一長一短あります。自分に向いているかを考えて、キャリアを積み上げていく必要があります。