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シャープ・レシオの考え方

シャープ・レシオとは?

シャープ・レシオとは、簡単にいえば、リスク(標準偏差)に対して、リスクゼロでも得られるリターンをどれくらい上回ったか測る指標です。シャープ・レシオが高いほど、リスクに対してリターンが大きく、効率よく収益を得られたことを意味します。

以下のような数式を当てはめて、シャープ・レシオを算出します。「標準偏差」というのはリスク、つまり振れ幅のことです。

シャープ・レシオ=(収益率-無リスク資産の収益率)÷標準偏差

異なるものを同じ土俵で比べる方法

さて、投資の世界では、しばしば「リターンよりもシャープ・レシオの数値が重要だ」といわれます。つまり、これまでに何%のリターンを得られたか比較するだけでは、正確な判断が下せないということです。なぜなら、リターンが同じでもリスクに差があったり、リスクが同じでもリターンに差があったりするために、単純なリターンだけでは一概に比較できないからです。

例えば、あなたがラーメン屋の店主で、新しいスタッフを1人雇うために募集をかけたとします。ありがたいことに2名の応募者が来ました。Aさんは1時間でラーメンを120杯提供でき、Bさんは1時間で餃子を150皿出せます。果たしてどちらが優秀でしょうか。
数字は適当なので掘り下げないでほしいのですが、ここでいいたいのは「違う能力を同じ土俵で比べるにはコツがいる」ということです。このパターンでは、まったくの素人が1時間のうちに作れるラーメンと餃子の数が分かれば、両者の生産性を数値化してかぎりなく平等に比較できそうです。

かなりざっくりといってしまえば、シャープ・レシオでは、これと似たようなことをやります。

シャープ・レシオの計算方法

リターンとリスクがバラバラのファンドを同じ基準で比較したいときは、シャープ・レシオの出番です。収益率のうち、安全資産(現金預金など)の利率を上回った部分を、標準偏差(リターンの変動幅)で割ります。

例えば、リターン5%、リスクが12%のポートフォリオをAとし、リターン7%、リスクが16%のポートフォリオをBとします。無リスク資産の収益率は、現在の預金金利に合わせて0.002%くらいにします。この場合のシャープ・レシオは、以下のようになります。

A:(5%-0.002%)÷12%≒0.42
B:(7%-0.002%)÷16%=0.44

僅差ですがBはシャープ・レシオが高いポートフォリオであり、効率よく収益を得やすいことが分かります。